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最近、小児科では迅速診断キットを使用して、簡単に病気の原因になっている微生物を割り出す検査が出来るようになり、盛んに使われています。
皆さんが最もよく知っておられるのは、きっとインフルエンザウイルスを鼻からとってする検査だと思います。その他、溶連菌、ロタウイルス、アデノウイルス、
RSウイルス、マイコプラズマなどが迅速診断できるようになっています。
ただし、一番よく行われる検査は、インフルエンザと溶連菌です。両者とも鼻やのどから鼻水や咽頭拭い液を採るだけで簡単ですし、10分位で結果が出ます。
もし陽性ならば、抗インフルエンザ薬や抗生剤を内服することで、簡単に治すことが出来ます。
ロタウイルスは便からこれも簡単に調べられます。ただ、診断できてもロタウイルスに効く薬はありません。判っていいことは、
他の冬の胃腸炎よりも症状が重いことが前もってわかりますから、それなりの対処が出来る事です。
アデノウイルスはのどや目やにや便から調べます。時間は15−20分程度とやや時間を要します。これも効く薬がありません。
のどや目やにからアデノウイルスが出た場合は、高熱が5日間くらい続くが、抗生剤を使用しても効かないから対症療法で治療します。
また、便から出た場合は下痢便が1週間程度続くことが予想されます。これも対症療法で治療します。
RSウイルスは、病院に気管支炎や肺炎で入院した場合のみ保険で検査できる事になっており、一般にはあまり使われませんが、
乳幼児の喘息様気管支炎の原因がRSウイルスであることが判れば、無駄な抗生剤の治療をする必要がありません。
マイコプラズマ迅速検査は血液を採ってする検査であるのと陽性率が悪いのであまり利用されていません。確定診断が出来ると非常に有用な検査ですが。