RSウイルス感染症(ヒトメタニューモウイルス感染症)


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乳幼児の喘息性気管支炎は、11月頃より翌年の2月頃までに流行する、RSウイルスやヒトメタニュウモウイルスによる感染症です。
これらのウイルスは乳幼児だけでなく成人まで感染することがあります。感染してもしっかりした抗体が出来にくく、毎年再感染することが多いようです。
3歳以上のヒトが罹った場合はいわゆるかぜ(鼻水と咳など)で終わってしまいますが、それ以下の乳幼児が感染した場合は、以下のような症状が強くでます。

乳幼児の症状は、最初鼻水があり、かぜかなと思っていると咳が出てきます。 ほどなく咳はひどくなり、ゼーゼーとした咳になります。
これに前後して、高熱が4−5日出ることが多いようです。
ゼーゼーした咳はしつこく続き1−3週間して急に消失します。見た目には、この子は喘息になったのかと思われたりもしますが必ずしもそうではありません。 もちろん、後に喘息に移行する場合もあります。

診断は、冬に乳幼児で鼻水と喘鳴と熱がでてきたらこの病気を疑います。確定診断はRSウイルス迅速診断検査
(ヒトメタニューモウイルス迅速検査)で行います。 これは、患児の鼻水をとり5分程度で外来で判定できます。
診断することのメリットは、熱が続きますが無効な抗生剤の投与をしなくて済むこと、 6ヶ月以下の乳児では細気管支炎といって重症化することが予測されるからです。この年令の子は要注意で入院が必要になることもよくあります。

治療は、対症療法が主体となり、抗アレルギー剤、気管支拡張剤、去痰剤などを投与します。
もちろん、ウイルスが原因ですから一般の抗生剤はまったく効きません。 一般の抗生剤を投与される場合は、引き続いて細菌感染を併発した場合ですが、たいていの子は抗生剤が必要になることは無いようです。 咳が喘息様なのでステロイド剤が効きそうですが効果はないようです。