マイコプラズマ ニュウモニエという細菌のなかでも小さい部類の微生物の気道感染によって発症します。
患者の咳からの飛沫感染ですが、インフルエンザのような大流行にはなりません。
4年ごとに流行があり、オリンピック肺炎と呼ばれたりもしていましたが、最近は毎年小流行がみられます。
季節は初秋から冬に多いといわれておりましたが、最近は、ほぼ1年中みられています。
年令は幼児から感染しますが、成人にも多くみられます。
以前は乳幼児にはあまりないと言われていましたが、最近では増えてきているようです。
*症状*
一般に感染してから10-14日して発症することが多く、発熱は高熱のこともありますが微熱程度で、熱に気づかない場合もあります。
最初熱だけで始まり、2−3日してから咳がひどくなってくる場合や、咳から続いて発熱があることもあります。
咳や痰は発作性に夜間や早朝に強くなる特徴があります。適した抗生剤の治療がされない場合頑固に長期にわたって続きます。
胸痛があることもあります。時に頭痛や嘔吐、発疹がみとめられます。
同様の症状がクラミジア ニュウモニエ(性感染症のクラミジア トラコマチスとは別ものです)という細菌でもみられますが、
こちらはあまり熱が出ないようです。以下の治療も同じで効果があります。
*診断*
しつこい咳があるのに聴診器で聴いてもはっきりした異常がなく、のどもあまり赤くなりませんので、風邪と間違われやすい事があります。
胸部のレントゲンでは肺炎の像がみられ、血液検査でマイコプラズマCF抗体価が高値である事で診断します。
クラミジアの場合はクラミジア ニュウモニエIgM抗体価が上昇します。
しかし、診断的治療(検査結果がでるまでに臨床診断で抗生剤を投与し効果があるかどうかをみる)で終わることも多くあります。
*治療*
一般に汎用されるセフェム系やペニシリン系の抗生剤(セフゾン、メイアクト、ファロム、パセトシンなど)は効果がありません。
マクロライド系抗生剤(エリスロシン、クラリス、ジスロマックなど)が奏効します。
テトラサイクリン系抗生剤も効果があり、小学校3年生より上の子に使われます。
ニュ-キノロン系抗生剤は15歳以上の人に使用され奏効します。
対症療法で鎮咳去痰剤を併用します。
*学校へいつからいけるか*
熱がなく、咳も少なくなってきたら行ってください。出席停止の病気ではありません。