アデノウイルス感染症(プール熱)


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プール熱は、別名咽頭結膜熱ともいいます。

この病気は年間を通してみられる病気ですが、特に夏期にプールに入ってうつることが多く、別名プール熱とも言われていますが、プールに入らなくても感染します。

のどと鼻の奥にあるアデノイドという組織から1953年にはじめてみつかったので、アデノウイルスとよばれているウイルスの感染によるものです。

アデノウイルスのうちの3,4,7型などによる感染症ですが、特に3型による場合が多いようです。

感染経路は、汚染したプールの水から目の結膜や咽喉への直接侵入と考えられています。プール以外では、お喋りや咳やよだれ等の飛沫により感染します。

幼児から小学生に多いのは、アデノウイルスに対する抗体を持っていないことが多いからですが、手指を口に入れやすい、 顔の近くでワーワーしゃべる、プールに入って水を飲みやすいなどもうつりやすい理由です。しかし、成人もうつることがありますので気をつけてください。

咽頭や目の結膜に進入したウイルスは、近くのリンパ節で増えて症状を表しますが、血液の中に入り全身に拡がる事はないといわれています。

症状は38−40度の高熱で発症し、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、のどの痛み、結膜の充血、眼痛、目やにのほか、咳や鼻汁などもでることがあります。

眼の症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現します。

うつってから症状がでるまでの期間は5〜7日といわれています。

病気になった直後は熱以外に症状がはっきりしないこともあります。

抗生剤が無効の高熱の持続、のどの痛み、咽頭の発赤、結膜充血などの症状があると、この病気が疑はれます。

確定診断は、目やにやのどからのアデノウイルスの検出です。診療所でも迅速診断キットを使って簡単に検査が出来、所要時間は10分以内です。

残念ながら診断がついても、アデノウイルスに効く薬はありません。

あくまで対症療法が中心となります。しんどければ、解熱剤を使うくらいです。

それなら、診断をしても意味が無いと思われるでしょうが、診断がつけば、無駄な抗生剤の投与や血液検査などがいらなくなりますし、あと何日したら熱が下がるかの目安がつきます。

予防としては、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどです。

流行時には手拭やバスタオルなどの使いまわしは絶対に避けてください。

学校保健法ではインフルエンザや水痘などと同じ第2種の感染症に入れられており、担当医による登校許可が必要です。