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産業医 スポーツ医 身体障害診断書認定医 母体保護認定医

日本医師会認定産業医

産業医とは職場で働く人々が少しでも健やかに少しでも生産性高く少しでも長く労働できる状態を作り出すことを医学的側面から援助する医師のことをいう。

人類史上かつてないスピードと水準で進行している超高齢社会の健全さを保つためには、健康なとき(労働できている時期)をいかに過ごしてきたかが大きな問題となる。その意味から、「突然死」・「過労死」などが社会問題化する現在の日本の状況は、超高齢社会に突入していくにあたって十分な準備ができた状態にあるとは言えないであろう。

従来は、労働者の健康は労働者自身並びに雇用者の責任であり、それを医師が支援するという立場が基本的な考え方であった。しかし、上記の状況から、国民一人一人の生涯を通じた保健が重要であるとの認識が高まり、産業保健領域でも法改正を伴わせて十分な保健活動の展開が可能になる環境づくりがスタートした。

また、「かかりつけ医」機能の強化を考えるとき、8〜10時間のストレスフルな労働の実態を知っているか否かが医学的判断・指導に与える影響は無視できないものがある。産業医として企業に関わることは、対象者の人生時間のほとんどを把握した上で判断できるということの強力な一助となる。これは、医師−患者の信頼関係の更なる強化に繋がると思われる。
スポーツ医

現在、スポーツドクター制度には、日本医師会認定健康スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本整形外科学会認定スポーツドクターの3種類があります。

スポーツドクターのルーツは、東京オリンピック開催を契機として、スポーツ医学に関心を持つ医学・運動生理学者が集まりだしたことにあります。研究会等を重ねていくうちに、スポーツ現場への医学的支援の必要性を認識し、スポーツ医学の確立とスポーツドクター制度の必要性を唱えてきました。この活動が、今日の臨床スポーツ医学会、日体協公認スポーツドクター制度(昭和57年設立)へと発展することになりました。従って、日体協ドクターの活動は、競技スポーツ者を対象にしています。平成8年10月現在3710名のドクターが登録されています。

一方、日整会スポーツドクターはスポーツ外傷の予防・治療の立場から、昭和61年に認定スポーツドクター制度を発足させました。平成8年2月現在4293名のスポーツ医が登録されています。

1980年代には、運動・スポーツへの関心が高まり、健康維持の手段として運動を行う人も多くなってきました。そこで日本医師会は、運動を行う人に指導助言を行い得る医師を養成する事を目的として、平成3年度より健康スポーツ医制度を設置しました。日本医師会では、この制度によって地域保健医療活動の一分野として健康スポーツ医学に関与する医師の組織作りをすることをめざしています。
身体障害診断書認定医

身体障害者福祉法に基づき、障害者がどの程度の認定等級に相当するかを意見書として提出する事のできる認定医資格。 障害の部位によって、各種領域の身体障害者認定医があるが、その資格は都道府県による審査によっている。
母体保護認定医

優性保護法に基づき、同法に規定された妊娠の中絶手術を行うことができる医師。この資格は、日本産婦人科学会員で所在の都道府県医師会産婦人科医会の審査によっている。