B受動喫煙防止を分煙で行っていても、喫煙者の衣服のタール臭からも推察されるように、喫煙後1時間は、肺の中から吐き出した空気の中に多くの有害物質を放出し続けます。ベランダでのホタル族の分煙では、同居乳児の尿中から2倍のニコチン代謝物が検出され、赤ちゃんは知らず知らずにタバコを吸わされています。
対照群(非喫煙者の子供) 1.00
屋外での喫煙(ベランダ喫煙) 1.99倍
開けた窓の傍での喫煙 2.40倍
台所の換気扇の傍での喫煙 3倍以上
日常的に屋内での喫煙 15倍 (Pediatorics 2004)
また乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクは、喫煙者の家庭では4.7倍に上昇します。(厚生労働省)
この結果からは、分煙という対策については、全面禁煙、敷地内禁煙の効果との明らかな差について、早急に一考を要することを示しています。
一方、喫煙習慣そのものについては、ニコチン依存の実態が、セロトニンという脳の中の化学物質を介した精神症状が大きく関与していることも明らかとなり、禁煙が困難な理由や、未成年者に対する懲罰的な強制的禁煙指導の無力さがよく理解されます。禁煙をしようと思っても、うまくいかなかったチャレンジャーの方も、意志の弱さではなく、治療の必要な病気であったことをご理解いただきたいと思います。
依存症は喫煙開始年令が低い程強くなり、(当然健康被害も大きくなり)禁煙の困難さも増すことから、「ニコチン依存症」の予防のためにも、若年層の禁煙開始を食い止めることが何よりも大切です。
最も問題となる未成年の喫煙行動の根底には、喫煙者本人のアンケートから、おとなの喫煙行動を目にすること、安価でタバコを手に出来る多数の自動販売機の存在が大きな要素となっており、早急な対策が望まれます。
大和郡山市医師会では、健康を守る医師として、強力な禁煙キャンペーンに取り組んでいます。
少々恥ずかしくはありますが、「愛する人のために」Tシャツを着たいと思っています。 |