大和郡山市医師会広報指定席
モンスターペイシェント
坪井裕志先生



     近頃、教育現場(学校)で、理不尽な保護者の怒りが爆発しているらしい。そういう保護者を、モンスターペアレントと呼ぶそうだ。    

医療現場でも、「いつまで待たせるんだ」とか文句を言って怒りを爆発させたりする患者さんやその家族を、同様にモンスターペイシェントと呼ぶらしい。  特に病院でそういう人が増えていると聞く。幸いにも私の処にはそういう人は今のところおられないが、ころも医療不信の表れなのか。    

マスコミは無責任な報道をして患者さんの医療不振をとみにあおっているように思う。 領収書発行以来、「今日は何故いつもより高いのだ」と聞く人がいる。慢性疾患で月に3回目の来院になると、全く同じ処方であっても、指導管理料がつかないから、窓口負担が安くなるのだ。それを説明しても納得されることが少ない。確かに、不可思議な算定で、こちらにしても納得できない算定方法に悩まされるから、患者さんに解るはずもない。診療報酬の改定のたびにこのような一悶着がある。更に、窓口負担の割合が変われば、支払う金額が増えて、医療機関がまた儲けていると、疑惑の目を向けられることがある。いいえ、医療機関は診療報酬によって一つ一つの診療行為が点数で決められているので、ごまかしようが無く、ガラス張りなのに、やれ再診料だ、外来管理料だ等と診療行為に関係のない算定があり、それによって診療行為の正当な報酬がうやむやにされている。これは理不尽だと思う。    

病院では、未払い(未収)の額が極端に増えているとも聞く。特に救急外来では、そのまま入院になっても、いつの間にか患者さんが居なくなってしまって、全ての診療行為の支払いが未収になることが多くなっていると聞く。医は仁術だと言われても、労働に対する正当な対価を支払われないと経営が行き詰まる。不況で生活が困窮しているとしても、未払いは困る。以前。怪我を診ていて、休みの日もガーゼ交換をしたにも拘わらず、保険証が変更になっていて、2ヶ月後に返戻になると、その患者に連絡をしてもどこに行ったか不明で、結局、未収になったことがある。病気を治して当たり前、でも支払いは出来ないよ、医は仁術だからあきらめな、と言われてもなあ。泣き寝入りは仕方がないのか。  


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