エンジン(発動機)


まかりなりにも戦闘用の機体である以上、普通はエンジンが付いている。
一部には空挺部隊輸送専用のグライダーなどもあるにはあるが、それら
を別にすれば、小型の連絡機から6発重爆まで、エンジンのついていない
機体はない。

  第2次大戦の終わり迄に実用化したエンジンには3種類ある。
ジェットエンジン、ロケットエンジン、そしてレシプロエンジンである。
当然、このページではレシプロエンジンに的を絞りたい。

どのような飛行機でも、その性能の8割方はエンジンで決まると言っても
過言ではない。 極端な話し、機体の設計はどれだけエンジンの特性を引き
出せるかが問題であって、エンジンの特性を100%引き出せたとしても
101%を引き出すことは出来ないのだ。
どんな優れた設計の機体でも1000馬力のエンジンから1100馬力は
出せないのだ。 飛行機の限界は当にエンジンの限界によって制限される。
どんなに優れた機体でも、エンジンがダメなら「駄作」となり、平凡な機体
も、優れたエンジンが有れば「名機」と化す可能性が有るのだ。

また、その製作技術にしても、機体とエンジンでは大きく違う。
機体に関しては、製作上1mmや2mmのズレがあっても、大して問題は
無い。 だから、設計段階と製作段階の誤差はある程度は許容できる。
しかし、エンジンのピストン直径に1mmの誤差が有れば致命的だ。
これは、機銃や無線機と言ったあらゆる補器類に関しても言えることで、
その国の持つ工業力(=国力)がものを言う「工業経験」が必要なのだ。

次項

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