エンジン(発動機)



レシプロエンジンも大きく2種類に分かれる。
空冷エンジン(図A)と液冷エンジン(図B)である。

 
結論から言うなら、全体として空冷は液冷に比べて軽量に出来あが
ることが多い。 よって、上昇力や旋回性能が良好な機体に向いて
いる。 また、被弾にも強く数あるピストンの内の1発が被弾しても
飛行は可能なことが多い。 また整備も楽なことから、信頼性が必要
な空母搭載機として多用されている。
長距離爆撃機の主流エンジンも空冷エンジンであり、敵地上空での
被弾を考慮に入れると正解である。
欠点として、前から見れば円形になり、冷却媒体である「空気」を
直接気筒に当てる必要があること等から、同一馬力、同一機体なら
空気抵抗が大きいのでどうしても速度が劣る。
また、気筒直径や気筒数に冷却上の制限を受けるために、大馬力を
追求すると必然的に前面面積が増大し大きくなってしまう。
当然、空気抵抗も増大しマイナス面も大きくなる。

対する液冷エンジンはラジエターや冷却水パイプ等の重量が必要なので
機体全体として重量が空冷エンジン機より重くなりがちだ。
また、その冷却系統に1発被弾すれば冷却水が漏れだし、エンジン焼付
10分前になってしまいかねない。
しかし、前面面積が小さい上に空気を直接エンジンに当てる必要が無い
ので、とにかく速度を追求しやすく、降下時も鋭い加速がつきやすい。
大馬力を得るにも、前面面積はそれほど増加しないで済む。

次項

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