飛行機の武装2



第二次大戦当初の飛行機の武装は、ほとんどが機銃と爆弾、たまに魚雷だった。
しかし、命中率を向上させる指向や飛行機のマルチロール化、工業レベルの向上
によって、現在につながるような種類の武装がいくつも出て来る素地が出来た。

航空兵器の主要な武装の1つがロケット弾である。
ドイツやソ連もでは、主に陸軍が地対地兵器として運用していたものである。
しかし、各国の航空機にも様々な用途のロケット弾が装備された。

アメリカ軍の主用した航空機搭載型ロケット弾

FFAR(Forward Firing Aircraft Rocket)
元々、対潜水艦用の弾頭の無いロケット弾だったが、5インチ対空砲弾の弾頭を
流用して装備した。 重量増加で低速となったものの威力は増加した。


弾頭のない初期の仕様はいわば巨大な銃弾にすぎず、潜水艦などの外殻に穴を
開ける程度の威力しかなかった。 画像は大西洋で対潜作戦に出るTBF。
翼下には弾頭無しの3.5インチ弾が8発。


HVAR(High Velocity Aircraft Rocket)
新造された高速が売りの5インチロケット弾。 戦後も生産が続き使用された。
その速度はFFARの2倍に近く、音速を軽く超える。
命中率が良く、F6FやF4Uなどの艦載戦闘機もこれのおかげで攻撃機的な
運用が簡便にできるようになった。 戦車や塹壕などのハードスキン目標にも
使用され、空母機動部隊の打撃力向上に大きく貢献した。


タイニー・ティム大型ロケット弾
11.75インチもの大きさの弾頭を持つ大型ロケット弾で、弾頭炸薬量は225kg
米軍の500ポンド通常爆弾に匹敵する。 これほど大きな物だけに、ロケット弾
としての射程は短いが威力は段違い。 画像はF6Fだが、2発装備している。
ちなみにタイニーとは「小さな」と言う意味です。



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