この1機 <十四試局地戦闘機 雷電>
雷電の苦しい戦い
初めてB29を撃墜したのは、昭和19年11月21日。
来襲高度が低かったこともあり、雷電にとっても戦いやすい条件が
揃っていたのが幸いした。
零戦の投下した空対空の3号爆弾によって算を乱したB29の
第1梯団に雷電と零戦が突撃する。
雷電は1機の損失と引き替えに、B29を3機撃墜した。
初戦果にしては上々の出来である。
有利な条件さえ整えれれば、日本の防空網も決してザルでは
なかったと言うことである。
しかし、夜間爆撃や高高度爆撃を敢行されると、雷電は事実上
手も足も出なかった。
一部の辣腕パイロットだけが攻撃を仕掛けられただけで、大半の
パイロットはB29の補足すら難しかった。
昭和20年2月16日、米第38機動部隊の艦上機が関東上空に
来襲するに及んで、雷電は出撃すら難しくなっていく。
対小型機、それも自軍より遙かに多い、機敏な艦上機を相手に
しては、消耗が激しくなっていくからだ。
それでもまだ、雷電には温存策をとる事も出来たし、ごく一部の
パイロットは艦上機を返り討ちにできた。
そして、B29だけの侵入時は果敢に迎撃に上がっていけたのである。
タキシングに入った雷電の正面ショット。
太い胴体と、短い主翼がわかる。
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