戦略爆撃の生起
戦場で「戦術」的に敵の兵器や兵士を叩くだけでなく、その
後方の生産拠点を叩けば、戦場に出てくる兵器や兵士の数
は減少する。
また燃料や食料、弾薬などが生産できなくなれば、どのよう
な超兵器も超精鋭の兵士も全くの役立たずになってしまい戦
闘が継続出来なくなる。
また敵国の国民が爆撃に怯え厭戦気分にひたれば、国全体の
士気が衰えより有利に戦争をリードできる。
「ならば後方生産拠点を叩けば戦争に勝てる。」
戦略爆撃を行う理由は、正にこの一点につきる。
飛行機による初の戦略爆撃は、第一次世界大戦時にドイツが
イギリスに対して行った爆撃であろう。 当時のドイツ爆撃機の
爆弾搭載量はわずか300kgたらず。(後の艦上爆撃機の一
機分にも及ばない。) また爆撃敢行機数も10数機と小規模
であり、ドイツがどれ程戦略爆撃の重要性を認識していたかも
疑問があるので、後の大規模無差別爆撃(爆撃敢行機数100
機前後、平均爆弾搭載量6000kg)に比べればまだまだ被
害は限定的だった。
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