その戦果4
特攻で撃沈された艦船は、膨大な数に登ると思われる。
また、撃破された数に至っては、その10倍では足りまいが、
どちらも正確にはつかめない。
民間徴用船の損害を米軍が公表していないからである。
逆に言えば、戦闘艦艇の被害はある程度フリーに公表している。
特攻攻撃の本来の目標が、空母であることは幾度も強調してきた。
ある資料によると、連合軍側空母は戦時を通じて、
38隻の空母が合計54回の突入を受けており、その内の半数
以上の艦が甚大な被害を受けている。
しかしながら、完全に沈没した空母は3隻のみ。
終戦までドック入り状態の艦もあったが、完全に海没したのは
全期間を通じて、わずか3隻である。
1944年10月25日、レイテ沖に沈んだ護衛空母セントロー。
1945年1月4日、がスル海に沈んだ護衛空母オマニーベイ。
1945年2月21日、硫黄島沖、護衛空母ビスマルク・シー
オマニーベイは12隻の空母群の1隻。
その空母群に突入した神風特攻旭日隊の彗星艦爆2機の戦果である。
わずか2機で12隻の空母群とその護衛する船団に向かった彗星は
燃料・弾薬を満載した搭載機が甲板に用意されている母艦の中央部に
沈みかけの太陽を背にしてまともに突入した。
思い浮かべるだけでも、見事な攻撃だとわかる。
燃料・弾薬を満載した艦載機が並んでいる時に攻撃される空母ほど、
脆い大型戦闘艦艇は他にない。 回避行動も思うに任せず、一撃を
受ければ、簡単に大誘爆を起こしてしまうからだ。
次項
特集見出しに戻る