航空優勢と巨砲廃退
1945年4月23日:沖縄:日本軍の一兵士の日記
「敵上陸以来、すでに1ヶ月になるが、昼夜を問わず、熾烈な
戦いが続いている。 敵の物量は驚くべきものだ。
我々が1発撃てば、敵は必ず10発以上撃ち込んでくる。
友軍機は遂に一機も機影が見えなかった。
もし我々に飛行機があれば、たちまち勝利を得ることができるのに。
ああ、飛行機。」
近代戦での飛行機の立場は急速に高いものとなってきた。
第二次世界大戦前のチェコ動乱におけるドイツ派遣軍。
ノモンハン事変における日本陸軍航空隊。
特にノモンハン事変に於ける九七戦の活躍はめざましかった。
はっきり言えばノモンハン事変で日本軍は「敗北」していたのである。
日本軍が優勢だったのは空の戦いだけであって、陸上戦闘では
目も当てられない「惨状」を呈していたのである。
にもかかわらず、ノモンハン事変が日本軍勝利の内に終息したと
「錯覚」させているのは、空戦に於ける圧倒的な勝利が陸戦の
敗北を覆い隠してしまうほど、光り輝いていたからである。
空戦の優劣が全戦闘の趨勢を決してしまう程の威力をかいま見せた
初の戦いが、このノモンハン事変であった。
九七戦の最も美しい一葉。
航空優勢を確立した初の戦闘機と言っても良いのではなかろうか?
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