航空機の運用と砲の運用


航空機があらゆる戦場で最も有効な戦力である事は、第二次大戦中から
現在に至るまで、あらゆる戦場で実証され続けてきた。
ヨーロッパでのバトル・オブ・ブリテン、太平洋での制空権争い。
朝鮮戦争でのF86FとMig15の鍔競り合い。
ベトナム戦争も航空機無くしては、アメリカの攻勢も無かった。
数次に及ぶ中東戦争で最も苛烈な戦いを強いられたのは、ダビデの盾であり
矛でもあった、イスラエル空軍であった。
フォークランド紛争で最も活躍したのが、特攻に近い近接攻撃を仕掛けた
アルゼンチン空軍の使用する、アメリカ製のA4スカイホーク攻撃機であり
それを迎撃するイギリス海軍航空機シーハリヤーだった。
そして91年の湾岸戦争で、航空機の威力は頂点に達した。
イラク軍の全てを破壊したのは、ほとんどが航空機であり、それの発射
する精密誘導兵器だった。
今や戦争は、航空機無くしては、絶対に成り立たないものとなっている。

では、航空機だけで戦争に勝てるかと言えば、そうでは無い。
いくら活躍しても、どの様な大きな攻撃力を持っていようと、航空機は
あくまで「補助戦力」である。
結局の所、戦争の勝敗は陸上兵力が決するのである。
その陸上兵力が活動しやすい状況を作り出すのが航空機であり、それを
運用する空母であり、陸上航空基地なのだ。
唯一の例外は全面核戦争になった場合だけである。

第二次大戦中、ドイツを屈服させたのは戦略爆撃であったが、最終的に
ドイツを占領したのは連合軍陸上兵力であった。
硫黄島を占領できたのも、沖縄を占領できたのも、全て陸上兵力があった
からこそである。
最終的に日本を屈服させたのは、原子爆弾の投下もさることながら、ソ連の
参戦が非常に大きな要素であった。
戦争を有利に導くものは航空機であるが、最終的に勝敗を決するのは陸上の
兵力なのである。


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