航空機の運用と砲の運用


レシプロ機が全盛の時代、航空機の活動は天候や時間によって、極端に
制限されていた。 ジェットの時代に移っても、レーダーが高度に成長を
遂げるまでは、同じような状況が続いていた。
そして現在も高速のジェット機にとっては、陸上の目標を狙うのは意外に
難しい。 それを補完する戦闘ヘリも決定的な制限がある。
通常型航空機に比べれば、絶対的な速度不足と、脆弱性である。
航空機の運用にはいつも制限がつきまとう。
特にその補給線と保守整備を維持するには、莫大な経費がかかる。
通常の戦闘要員の中で、最も養成費用がかかるのも航空関係者である。

それに比べれば陸上兵力の運用は、その展開能力の遅さを除けば格段に
運用しやすい。 現用の戦車砲のスタンダードは120mm砲である。
火砲としての自走砲では20.3cmが最大級である。
これは、昔の重巡洋艦の艦砲並である。
無論その一撃の威力は、航空攻撃の及ぶ所ではない。
しかし、だいたいこれが陸上火力の限界だと思う。
通常の戦車砲で120mm。
最新の試作車両に130mmを載せる計画があったとも聞くが、砲弾の
互換性を考えれば、どうだろうか?
火砲も20.3cmクラスが運用上のベストバランスだろう。
それ以上では、機動性が保証出来ない上に、積載弾薬量も大幅に減少する。
そうなれば、燃料も多く食うようになり、車体も大型化し、コストも上がる。


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